メディア利用の変遷

 現在のところ、インターネットは人々にとって最も手軽にアクセスできるメディアになっています。 スマートフォンを筆頭とするモバイル端末の普及が、その背景と考えられます。世界中で携帯電話の回線を契約している人は実に47億人います。 今やモバイル端末は完全に定着し、パソコンを上回るインターネットへのアクセス手段となっています。 2016年時点で日本のスマートフォン人口は5,500万人を超え、世帯普及率も70%以上に達しているそうです。人々のモバイル端末の使用時間は、 テレビや新聞・雑誌を含む全メディアへの接触時間の4分の1を超えているのが現状です。10年前と比べるとモバイル端末の使用時間は、8倍に増加しました。 韓国、シンガポール、UAE、サウジアラビア、スペイン、スウェーデンでは、スマートフォン使用率が人口の8割を超えており、 このような傾向は世界中で共通の現象です。

 このような環境では、メディアを消費者とのコミュニケーション手段として利用してきた企業の広告戦略、PR戦略もモバイル端末を中心にして  考えていかなければならなくなる訳です。モバイル端末をベースにしたインターネット広告は急速に普及しつつあるのが現状です。  加えて、新たな動きとして注目されているのが、「動画」を活用したインターネット広告です。Facebook Japan代表取締役の長谷川晋氏は、  「2020年にはインターネット上でやり取りされる情報の8割が動画になると予測されている」と言っているそうです。

 上に述べたのとおりの環境ですから、インターネットの動画を視聴する「場」も、パソコンからスマホやタブレットといったモバイル端末が 主流になります。2013年時点ではネット動画がスマホやタブレットで視聴される割合は15%でした。それが2016年になるとネット動画の視聴の50%が モバイル端末経由となっているのです。長谷川晋氏によると、「Facebook上でも、動画は毎日80億回も再生されています。そこで、フェイスブック ジャパンでは 動画を活用した広告フォーマットをクライアントのために用意しました。」とのことです。

広告フォーム

それには、(1)通常の動画広告の他にユーザーが画面をスワイプ(指で横にすべらせる)することで1つの表示枠に複数の動画を表示できる「カルーセル」、 (2)奥行き感、空間の広がりが表現できる「360動画」、(3)画面一杯にインタラクティブなコンテンツを見せられる「キャンバス」があるようです。
いずれの動画広告フォーマットもモバイル端末に最適化されています。クライアント企業は、Facebookを介して、多様なフォーマットの動画広告を、 モバイル端末のユーザーに提供できるという訳です。しかも、Facebookを介してクライアント企業がつながることができる日本のユーザー数は 既に数千万人に達しています。つまり、日本におけるFacebookのユーザー数は現在2,700万人、Facebook familyであるInstagramのユーザー数も1,600万人に 達しています。さらにFacebookが提携している他のモバイルアプリに、Facebookのターゲティング機能を生かして広告を配信できる「Audience Network」に よって、2,100万人のユーザーにリーチできると言います。テレビと同規模の人口に対して、個別に動画広告を配信することができることになります。

 動画広告といえば、これまでその主戦場は圧倒的に「テレビ」でした。 企業は、自社商品のブランディングやセールスプロモーションの手段として、テレビコマーシャルを活用してきました。 それが、メディアの「モバイルシフト」が進むと、スマホやタブレットが、動画広告にユーザーが接触する重要な「場」となるのでしょう。